本文へスキップ

【概要】アメリカUCLAPULSEプロジェクト調査



アメリカUCLA PULSEプロジェクト調査
(本堂・住田、2010年2月16日-22日)



【目的】

 本調査では、UCLAにおける「法と科学」をテーマにしたPULSEシンポジウムに出席することにより、米国における「法と科学」の議論状況を把握すると共に、このシンポジウムの基調講演者であるJasanoff教授と、8月に本プロジェクトで開催予定のシンポジウム打ち合わせを行うことなどを目的とした。(PULSE: Program on Understanding Law、 Science and Evidence)



【調査概要】

・Prof. Jonnifer Mnookinと面談
 プロジェクト発足の背景について聴取

・Prof. Sheila Jasanoffと面談
 4SとJSSTとの合同国際会議におけるセッションへの出席要請

・Prof. Footeと面談
 日本との比較法制において議論(特に科学の不確実性)。 

・PULSE シンポジウムへ出席



【調査によって得た知見】
 PULSEは、ULCA法科大学院において、司法において科学を適切に理解し、活用することを目的につくられた研究・教育ユニットである。このプロジェクトの共同代表の一人であるJennifer Mnookin教授は、Expert evidenceを専門とし、科学技術社会論(STS)を学んだ背景を持つ。米国においては、このように、科学技術社会論(STS)や、法と科学に関する授業を持つ法科大学院が少なからず存在し、UCLA法科大学院においても、今後、授業を充実させていく方針であることが分かった。

 また、2009年10月に調査した、オーストラリアの”concurrent conference”について、UCLAのMnookin教授、ハーバードのJasanoff教授に尋ねたところ、その画期的な内容から両研究者にも存在が知られており、法廷で科学を扱うに当たって長所の多い制度であろうとの意見があった。
PULSEシンポジウムは、およそ1年前に発表された米国科学アカデミーの報告「Strengthening Forensic Science in the United States: A Path Forward」を受けたものであり、法と科学に関係する広い領域の話題が取り上げられていた。特に、このシンポジウムでは、研究者のみならず、判事、政府高官、科学者、検査機関関係者などの幅広い参加者により、法と科学に関する様々な課題について、誰もが参加可能な公開の場で自由闊達かつ率直な議論が行われていたことは印象的である。

 日本における法と科学の協働のあり方について、多くの示唆を受けた。UCLAに客員として滞在中のDaniel Foote教授との面談では、日米の比較法や法社会学の観点から意見を交換し、不確実性を含む科学的知見を司法で適切に用いるための(教育を含む)人的、制度的条件について、多くの知見を得た。

 Jasanoff教授との面談では、8月に本プロジェクトが主催するシンポジウムへの招聘について確認を取り、具体的日程・内容について打ち合わせを行った。今回の調査によって面談・意見交換した研究者とは、今後も、情報交換を行うことにより、本プロジェクトの一層の推進を計る予定である。


【参考資料】
PULSEプログラム http://pulse.law.ucla.edu/
Jasanoff 教授の講演は以下のページで公開されている。
http://pulse.law.ucla.edu/events/archives/2009-10/jasanoff-lecture-2/

プロジェクト連絡先

 弁護士法人
 リブラ法律事務所
 〒870-0049
 Tel.097-538-7720
 Fax.097-538-7730
 Mail.lybra